宮城県仙台市青葉区一番町の税理士・公認会計士事務所です。

記事一覧

工事等の請負契約に係る経過措置4/4(工事進行基準)

下記記事の続きです。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=14


(4)工事進行基準の適用
(取引の相手方である工事業者が採用の可能性あり)
①概要
 工事契約に係る所得計算に法人税法上の工事進行基準を適用する場合で、消費税計算上も工事進行基準を採用する場合、以下の計算で算定される金額について、旧税率(5%)を適用することになります。

工事進行基準の収益計上計算式=請負契約に係る対価の額×A÷B

A=26年3月31日までに支出した工事原価
B=26年3月31日における工事原価見込総額

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
(例)請負金額100,000千円(消費税別)、契約日25年11月、着工25年12月、
完成引渡26年4月の場合において、

   工事業者の工事原価見込み総額80,000千円(消費税別)、26年3月
までの工事原価支出額(発生額)が60,000千円(消費税別)である場合は、

   100,000×60,000/80,000=75,000千円→この分が5%適用となります。
            (税込78,750千円)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
 なお、残額25,000千円部分は消費税率8%課税となり、税込27,000千円となります。


 このように、経過措置対象外工事であって、当該工事において請負業者が進行基準を適用している場合、その旨の通知がなされます。その場合、一の工事について、消費税率5%と消費税率8%の税率が混在する結果となり、工事発注側の引渡時の仕入税額控除の際には注意が必要です。

 また、上記例の場合、78,750千円+27,000千円=105,750千円が税込請負金額となることから、契約上、108,000千円(全額を8%)で契約している場合には、契約金額との差異が2,250千円発生します。したがって、契約変更等により減額改訂することになるものと思われます。

②工事進行基準について
【会計基準上】「工事契約に関する会計基準」によりほぼ全ての工事に強制適用
         ただし、通常の場合、適用は会計監査人が設置される工事業者(法人)に限られます。

【法人税法上】以下の場合は強制適用
         工期1年以上かつ契約額10億円以上

         ただし、それ以外の工事であっても法人(工事業者)の選択により工事ごとに任意適用が可能
 
【消費税法上】法人税法上の所得計算において工事進行基準を採用している場合であっても、消費税法上は完成引渡基準で計算することが許容されて
        いるため、①に記載した例が生じるのは、工事業者が消費税法上も工事進行基準にて申告計算する場合に限られます。

      ⇒大学法人側では判断がつかないため、工事業者側に通知を促す必要があります。
        (法律上は義務であるが、通知を失念しても消費税率には影響しません)

工事等の請負契約に係る経過措置3/4(通知義務及び建設仮勘定の扱い)

下記記事の続きです。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=13

(3)通知義務
 経過措置の適用を受ける工事の場合、相手先に書面による通知義務が課されています(工事業者等側の義務)。
 →請求書等に経過措置の該当条項、経過措置を受けた対価の額を明記する義務があります。

 →義務ですが、経過措置適用のための要件ではないため、工事業者等側が通知を失念したとしても経過措置は適用されます。
 したがって、当方に通知を行うよう、工事業者等側へ依頼・周知を図る必要があります。

(4)建設仮勘定からの振替
 建設仮勘定から建物その他の本勘定に振替を行う場合、例えば設計料は5%、建物本体工事は8%など、一の固定資産において複数の税率が混在するばあいがあります。また、(5)で述べる工事進行基準適用工事の場合も、同様の現象が生じるケースがあります。
 したがって、建設仮勘定から振り替える際には、消費税率にも留意する必要があると同時に、建設仮勘定の税率別の内訳を把握管理するなどの工夫が必要になります。

 個別対応方式を採用している場合には、税率区分に加え、課税仕入三区分(課税対応、非課税対応、共通対応)も管理する必要があり、管理が複雑化することが懸念されます。

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
(仕訳例)
  設計料が10,000+消費税5%、建物工事費が80,000+消費税8%の場合

  建物  10,500(課税仕入5%)/建設仮勘定96,900
  建物  86,400(課税仕入8%)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

続きは以下をクリックしてください。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=15

工事等の請負契約に係る経過措置2/4(工事契約等に類する政令に定める契約)

以下の続きです。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=12


(2)工事契約等に類する政令に定める契約
(対象)測量、地質調査、工事の企画設計監理、映画製作、ソフトウエア開発、その他の請負契約(委任その他の請負に類する契約を含む)

→受託研究等もこの類型に含まれます。

①要件等
 工事又は製造の要件に追加される要件を満たす必要があります。

【経過措置適用要件】
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
 指定日より前(8%引上時においては25年9月30日まで)に契約を行うこと。

 →契約書の締結は要件ではないが、締結日の証明として契約書や請書を整備することが望ましい。
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
                  プラス
【経過措置適用要件(追加要件)】
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
 ・仕事の完成に長期間を要する
 →現実には期間の長短は不問とのこと(国税庁経過措置Q&A問25)
 
 ・契約に基づき目的物の受け渡しが一括して行われる
 →月ぎめの契約のものは経過措置の対象外
(警備、清掃など、継続的に役務提供がなされる契約のもの、なお、
年決めであっても役務提供が一括ではなく継続的になされる場合は
対象外)
 →これらは、施行日以降の月(26年4月以降)においては新税率
が適用される。

 ・仕事の内容につき相手方の注文が付されていること
  →仕様等が付されていること。
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


②金額変更契約
 (1)工事又は製造の請負②と同じ(下記参照)
  http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=12

③期間変更契約
 (1)工事又は製造の請負③と同じ(下記参照)
  http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=12

続きは以下をクリックしてください。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=14

工事等の請負契約に係る経過措置1/4(工事または製造の請負)

ファイル 12-1.pdf

工事等の請負契約には、「工事又は製造の請負」と「これに類する政令に定める契約」の類型があります。

(1)工事又は製造の請負
 ①要件等
 【経過措置適用要件】
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
 指定日より前(8%引上時においては25年9月30日まで)に契約を行うこと。
 →契約書の締結は要件ではないが、締結日の証明として契約書や請書を整備することが望まれます。
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
 指定日前の請負等契約(25年9月30日までの契約)については、目的物の引渡が施行日(26年4月1日)以降となっても旧税率(5%)が適用されます。
(添付PDFファイルもご参照ください。)

□契約を締結していれば、着工時期は不問(要件は契約締結のみ)
 ⇒ただし、現実には、予算の裏付けがない段階での契約締結は想定されず、適用の余地は限られるのではないかと思われます。

□手付金の受渡は不問

□契約締結日であって、入札日等ではありません。

②金額変更契約
 契約変更により値増しした場合は、平成25年9月末時点の契約に対し、値増しした部分は経過措置の対象外となります。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
(例)25年9月末時点の契約額 (本体)1,000
   25年12月に契約変更   (本体)1,200へ変更

   →完成・引渡が26年4月以降の場合、消費税額は以下のとおりとなります。
   1,000×5%+(1,200-1,000)×8%=66
           ↑
    この部分が経過措置の対象外となり、消費税率8%となります。
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


 値増しや値下げが繰り返されたような場合は、最終的に平成25年9月末時点の契約額を上回った部分のみが経過措置の対象外となります。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
(例)25年9月末時点の契約額 (本体)1,000
   25年12月に契約変更   (本体)1,200へ変更
   26年4月に契約変更   (本体) 900へ変更

   →完成・引渡が26年4月以降の場合、消費税額は以下のとおりです。
   900×5%=45
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
 


③期間変更契約
 期間の変更に関する定めはありません(納期の遅延に過ぎず、他の要件を満たしていれば経過措置が適用されます)。

続きは以下をクリックしてください。
http://www.teshima-kaikei.com/daigaku/blog/diary.cgi?no=13

指定日前の契約に関する経過措置

 指定日とは、改正消費税施行日(消費税率引上日)の半年前をいいます。指定日前、すなわち平成25年9月30日までに契約を締結した取引のうち、下記に該当するものについては、経過措置が適用され、資産の譲渡等の時期(反対給付の時期)にかかわらず、旧税率が適用されます。

ア)工事請負契約

イ)資産の貸付契約

ウ)予約販売による書籍等の譲渡(年間購読料等)

エ)通信販売による商品の販売

オ)指定役務の提供契約(冠婚葬祭サービス等)

カ)有料老人ホームの入居に係る一時金

 このうち、大学法人や独法に関連する項目は上記ア~エのため、これらについて項を改めて説明いたします。
 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ