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受託研究等に係る収益の課税時期

 受託研究等は大半の場合準委任契約であり、仕事を完成することを約する契約ではないものの、研究という「事務の委託」に対し、報酬を得るという対価性を有するため、課税取引として扱われます。
 また、課税上は、「役務の提供」のうち、物の引渡しを要しない請負契約に準じるものに該当します。

(1)受託研究等の場合
 受託研究等については、研究成果の報告が義務づけられている場合が一般的と想定され、したがって、その報告をもって「約した役務の提供が一括でなされる」と判断できる場合が通常であると思われます。
 したがって、役務の完了(受託期間の終了)ないし成果報告書の作成・提出時が「資産の譲渡等を行った日」(注)となり、その時点で課税がなされることとなります。
 そのため、会計上の収益化の時期と課税売上の計上時期は必ずしも一致しない点、注意が必要です。

(2)共同研究等
 共同研究等は研究員等を受け入れ、共同で研究等を行うことから、役務提供が随時なされ、役務の提供が「一括して」行われるものではないといえます。共同研究の過程で経費執行を行い、その都度役務の対価が確定する取引内容になっていることが一般的であり、その場合にはその都度課税がなされることになります。
 したがって、会計上の収益化の時期と「資産の譲渡等を行った日」すなわち課税売上計上時期は一致します。

(3)治験等
 治験契約は一般的には定額料金(基本料金)に加え、出来高に応じて料金請求する仕組みとなっているおり、次のように整理できます。

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定額料金部分:期間経過に応じて課税(按分)
      (ないし、返還不要確定時に課税)

出来高請求分:症例実施時に課税
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(注)平成18年5月文部科学省 高等教育局 国立大学法人支援課主催の「消費税に関する説明会」資料8によると、『受託研究の場合、「会計基準による収益化額ではなく、役務の完了・成果物あるいは報告書の受領時」に一括計上することが原則』との記述がなされています。